患者さんの心も元気付けるために、いつもやさしい笑顔で接している看護師ですが、その笑顔の裏にはかなりの憂鬱を隠しています。特に夜勤は看護師にとっては肉体的にも精神的にもきついので、笑顔を保っているのがやっとということもよくあります。実際不規則な生活になりますし、病院のシフトによってはあまり睡眠が取れていないのに出勤ということもあります。また、人材不足から体調不良を抱えながらも出勤する人も少なくありません。さらには夜勤中は仮眠の時間がありますが、そこで必ずしも仮眠がとれるとは限りません。人材不足・不規則な勤務形態・命を扱う難しい業務など、さまざまな要因が重なりながらも、世の中の看護師たちは懸命に働いています。
現役で活躍する私が、そんな大変な看護師の夜勤に関するエピソードをご紹介します。

1. 休日がうまく使えない
看護師という仕事には夜勤がつきものですが、一旦夜勤に入り始めると生活のリズムがすぐに乱れてしまいます。夜勤の間の仮眠中はほとんど熟睡することはできませんし、実際に家に帰ってからも昼間の時間帯に熟睡できるかというとそうではありません。本来、人間の体は夜に眠るようにできているのです。昼間にしっかりと上質の睡眠が取れるようになるためには長い時間がかかります。そして、だんだん慣れてきたなと思っていても、今度は体力的に続かなくなります。常に睡眠不足の状態ですので、休日となるとずっと寝て過ごすという人も多いです。せっかくの休日だからあれもしたいこれもしたいと計画だけは立てますが、実際に休日の日になってみると、全然やる気が起こらなくて、気づけば寝て過ごしてたということになり、また看護師たちの憂鬱が増えます。以上のことを踏まえて、夜勤は想像以上につらいものです。稀に、「朝が苦手だから夜勤がいい!」という方もいらっしゃいますが、やはり人間の体の仕組みを考えると夜に働くのは体力をかなり消耗するのではないかと思います。

2. 新人の頃
特に新人の頃は夜勤がきついものです。まだ若いので肉体的には大丈夫だといわれそうですが、問題はそこではありません。なによりきついのは、夜勤は人数が少ないということです。先輩の看護師が見回りに出かけたらナースステーションに自分一人になってしまい、ナースコールが鳴ったらどうしようとビクビクしてしまいます。また自分が見回りに出かけるときも同じです。患者さんに何かあったらどうしよう、自分でうまく対処できるかなととても不安な気持ちになります。そういう気持ちを抱えながら出勤するときはかなり憂鬱な気分になるでしょう。この時期を乗り越えるには相当な精神力の強さが必要となります。